Aro/Ace調査実行委員会
「Aro/Ace調査」とは
「Aro/Ace調査」は、アロマンティック/アセクシュアル・スペクトラム(以下、Aro/Ace)に関する調査です。Aro/Aceの人たちを対象に、一人ひとりのあり方や経験について調査しました。2020年6月から一カ月間にわたりインターネットでアンケートへの協力を呼びかけた結果、約1700回答を集めることができました。
「Aro/Ace」とは
アロマンティック/アセクシュアル・スペクトラム(アロマンティック、アセクシュアル、ノンセクシュアル、デミセクシュアル、デミロマンティック、リスセクシュアル、リスロマンティックなどその他周辺のセクシュアリティ)にあてはまる人の総称です。
調査結果
概要報告書(2020年11月公開)
概要報告書オンライン発表会の様子は⇒こちら
単純集計報告書(2021年4月)
オンラインパネルディスカッションイベント
「Aro/Aceを調査するー方法とその意味ー」を開催
2021年5月5日
(調査報告書 2021年8月頃公開予定)
調査の背景
近年、LGBTをはじめとする性的マイノリティが多くのメディアで取扱われるようになり、人権課題の一つとして広く認識されるようになりました。しかし、LGBTの認知度が飛躍的に高まっている一方で、アロマンティック/アセクシュアル・スペクトラム(以下、Aro/Ace)は一般にはあまり知られていないのが現状です。
一部メディアなどで取り上げられる機会が増えてきているものの、Aro/Aceに関する学術研究はわずかしかありません(大阪市で行われたある人口学的調査では、「アセクシュアル」に関する項目も含まれていました。結果はこちらからhttps://osaka-chosa.jp/)。とくに、Aro/Aceを主な対象とする量的調査は非常に少なく、Aro/Aceの人たちに関する基本的な情報が不足しているといえます。
しかし、英語圏では、Aro/Aceの人たちが交流/情報交換をするネットワーク(Aro/Aceコミュニティ)を活かしたアンケート調査が10年ほど前から行われています。Aro/Aceの認知度向上や学術研究の発展に貢献する一つの方法として定着し、Aro/Aceの人たちの声を届ける助けになっています。
そこで、日本でも同様の調査を実施しようと、Aro/Aceコミュニティに日頃から関わる有志のメンバーで2019年に「Aro/Ace調査実行委員会」を結成しました。
調査の目的
本調査は以下のことを目的としてます。
①Aro/Aceの可視化を促す
②Aro/Aceコミュニティに集まる人たちの多様性について議論するための情報を収集する
③Aro/Aceに関する情報を提供し、学術研究の発展やAro/Aceに関する運動の活性化に寄与する
*本調査は回答者のセクシュアリティを検討・診断・決定するものではありません
調査主体
Aro/Ace調査実行委員会
委員会メンバー
調査代表者:三宅大二郎(アセクシュアル啓発委員会)
大阪大学大学院人間科学研究科にてアセクシュアル・コミュニティについて研究(修士:人間科学)。修了後もアセクシュアルの啓発活動に従事し、2018年に中村健と「アセクシュアル啓発委員会」を結成。
中村健(アセクシュアル啓発委員会)
アセクシュアル、Xジェンダー当事者。大学や企業、各メディアで多様な性に関する講演/啓発活動を行う。当事者グループ「なかぷろ」を主催し、これまでに約350名の当事者が参加。
今徳はる香(特定非営利活動法人にじいろ学校)
特定非営利活動法人にじいろ学校代表理事。2016年に法人を立ち上げ、アセクシュアルをはじめとする性的マイノリティ当事者の交流会を実施。これまでに全国6都市累計1206名が参加。
協力
平森大規(ワシントン大学大学院社会学研究科博士候補生)
専門は計量社会学、クィア・フェミニズム研究、セクシュアリティ・ジェンダー階層論、性的指向・性自認の人口学。クィア・フェミニズム理論の視点から、セクシュアリティ・ジェンダーに基づく階層・不平等および性的マイノリティ人口について計量的手法を用いて研究している。